市場で流通しているバイクの種類

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流通しているバイクの種類

ひと口にバイクと言っても、その種類は実に様々。排気量の違いで見ても、50ccの原付から2000cc以上の超大型バイクまで、実に多種多彩な車種が存在しています。ここでは、バイクの主なジャンルごとに、それぞれの車種の特徴やそのジャンルの車種をご紹介していきたいと思います。

ネイキッド

いわゆる「オートバイ」のなかでも、昔ながらのスタンダードかつオーソドックスな形状の車種を指します。免許を取る時の教習車にも多く採用。ちなみに“ネイキッド”とは英語で「裸」を意味しており、カウルレスのスタイルから、そう呼ばれるようになりました。

一部に例外もありますが、基本的には丸目のヘッドライトにパイプバーハンドル(一部セパハンタイプもあり)、リヤサスペンションは2本式(1本式の場合もあり)。また、ビキニカウルやスクリーンなどを装着した車種の場合も、広義でネイキッドに分類されます。

その多くは極端な前傾姿勢を強いられることなく、自然な乗車姿勢で乗ることができ、街乗りからツーリングまで幅広い用途に活用できます。

●カワサキ ゼファー400

「ネイキッド」というジャンル名は、この車種がきっかけで誕生しました。1989年、加熱していたレーサーレプリカブームに対するアンチテーゼとして、昔ながらのオーソドックスなオートバイへの原点回帰が図られました。

●ホンダ CB1300SF

初代SC40型は1998年に登場、そして2003年にモデルチェンジされたSC54型は、細かな改良や改善を重ねながら、20年近くラインアップされ続けているほど。まさに大型ネイキッドを代表する車種に君臨しています。

●ヤマハ XSR900

直列3気筒エンジンを搭載したストリートファイター、MT-09をベースに、ネオレトロ人気の時流に沿って、丸目ヘッドライトのオーソドックスなスタイルに再デザイン。かつてヤマハが手掛けていたXS-1やXJシリーズ、RZ350/250の雰囲気を再現していることも、このモデルならではの魅力であり、注目ポイントとなっています。

●スズキ SV650

1999年の発売以来、ヨーロッパ市場にてコストパフォーマンスに優れたミドルクラスのV型2気筒エンジン搭載モデル。かつてはハーフカウル仕様の「S」もラインアップされていましたが、現在はスタンダードネイキッドのSV650がメイン。また派生モデルとしてカフェレーサースタイルの「X」もラインアップされています。

ネイキッドの買取傾向

バイクのジャンルとして最もオーソドックスな車種であり、幅広い層のライダーからの需要があるという傾向があるため、コロナ禍以降のバイク需要高騰の波を大きく受けています。

元々中古車市場でプレミア価格のついていたカワサキZ1/Z2やZ400FX、ホンダCBX400Fなどは、よりプレミア傾向が上乗せされており、中古車価格が高額になりやすいホンダCB1300SFやカワサキゼファー1100などの大型ネイキッドも、買取相場が上昇。

加えてコロナ禍を機に免許を取得した初心者ライダーやバイクを再開したリターンライダーには、より扱いやすく価格も手ごろな、中型ネイキッドに人気が集まり、歴代のホンダCB400SFやスズキインパルス、カワサキゼファー/ゼファーχといった一時代前の車種の買取相場が大きく上昇している傾向となっています。

ビッグスクーター

一般的なスクーターが50ccから125ccまでを指すのに対し、ビッグスクーターは250cc以上のスクーターを指すのが一般的です。ただし近年では、150cc~200ccといった排気量の車種もお目見えするようになっており、これらもビッグスクーターに含まれるという見方がされています。

厳密な定義とまではいきませんが、小型自動二輪(緑ふちなしの白ナンバー)以上の排気量で、普通自動二輪免許が必要、かつ高速道路の走行が可能なスクータータイプが、ビッグスクーターと言ってよいのではないかと思われます。

125cc以下のスクーターに比べ、全長、全幅、車重、積載能力などが上回っており、シートの座面も広く、快適で運転しやすいのが特長。AT限定免許の導入により、より親しみやすくなりました。

●ホンダ フォルツア

2000年の初代MF06型以来、ホンダの250ccクラスビッグスクーターの中核モデルとしてラインアップされ続けており、2018年には4代目となるMF13型がお目見え。トラクションコントロールやスマートキーなどが装備されています。

●ヤマハ TMAX

初代登場は2001年。500cc(後に530cc→560ccへと拡大)という大排気量を有し、スクーターでありながら高いスポーツ性を兼ね備えた車種として、まさにそれまでの常識を打ち破る車種としてお目見えしました。

●スズキ スカイウェイブ250

1998年の発売開始から2017年までの長きに渡って、スズキのビッグスクーターの中核モデルに君臨していました。水冷単気筒SOHCエンジンをバックボーンフレームに搭載。250ccらしからぬ大柄で迫力ある車体も特徴でした。派生モデルとしてカスタム志向を高めた「S」や「SS」などもラインアップされていました。

●BMW C400GT

登場は2019年。かのBMWブランドのビッグスクーターであり、また日本の普通自動二輪免許で乗ることができるBMWであることが、大きな話題となりました。ちなみにこの「GT」はスタンダード仕様の「X」をベースに装備を充実させた豪華版。なお製造はキムコのブランド名で知られる台湾の光陽工業が請け負っています。

ビッグスクーターの買取傾向

シフトチェンジが不要でアクセルのオン・オフとブレーキ操作だけで運転することができるという敷居の低さがあり、加えて小排気量の小型スクーターよりも積載性や走行時のゆとりに優れ、2人乗りや高速走行でもアドバンテージがあるビッグスクーターは、密を避けるための移動手段としては、ある意味、コロナ禍で最も需要の高まった車種と言ってもよいかもしれません。

ビッグスクーターという車種ならではの買取傾向として、カスタムしているものよりも、ノーマル状態の方が高値になりやすいという、他車種とは逆の現象が。コロナ禍によって密回避のための移動手段を確保したいという層には、ノーマルの方が好まれるようです。

アメリカン(クルーザー)

ハーレーダビッドソンに代表される、比較的低い車高と長いホイールベースによって直進安定性を高めている車種の総称。国内4メーカーが手掛ける車種は「国産アメリカン」といった呼ばれ方をすることもあります。また近年では、BMWやトライアンフといったヨーロッパのメーカーでも、該当する車種を手掛けています。

どこまでも続く直線道路をゆったりと走るためというのが、元々の開発コンセプトになっており、ゆとりあるライディングフォームや足つき性に余裕のある低いシート高などが特長。一方で車両重量は比較的重めとなっており、またコーナーリング性能は相対的に低めとなる傾向があります。

●ホンダ スティード400/600

登場は1988年。それまでネイキッドをベースとした「アメリカン風」モデルを発売していたホンダが、車体もエンジンも、アメリカンとして専用設計を施し、満を持して誕生させたのが、このスティード兄弟でした。とりわけ400は、中型限定免許(現在の普通自動二輪免許)で乗ることができる、本格アメリカンとして大人気となりました。

●スズキ ブルバード400/800

2000年代にスズキがラインアップしていたアメリカンスタイルの車種になります。ロー&ロングのフォルムをベースとしながら、独自の曲線を描くスタイリッシュなデザインを採用。倒立フォークやアルミキャストホイールなど、従来のアメリカンとは一線を画した佇まいとなっています。

●カワサキ バルカン900カスタム

カワサキが手掛けるアメリカンクルーザーとして、400から1700まで幅広いラインアップを誇るバルカンシリーズの一員。2007年に日本国内仕様としてお目見えしました。フロント21インチ径ホイールと足を前に投げ出すフォワードコントロールを搭載。ラジエーターはフレームと一体化させるという工夫が施されています。

●ヤマハ ドラッグスター250

2000年から2016年まで長きに渡って販売されていたロングセラーの250ccアメリカン。車検不要で身近に乗れるクラスでありながら、比較的大柄でクラスを超えた迫力と存在感を発揮していたことが人気を博しました。2007年の排ガス規制を機にライバル車が生産終了となって以降は、数少ないアメリカンクルーザーでした。

アメリカン(クルーザー)の買取傾向

アメリカン(クルーザー)における絶対王者と言っても過言ではないハーレーは、より身近に乗れる車種としてコロナ禍以前より人気の高かったXL1200X フォーティーエイトやXL1200W SEVENTY-TWO、883系などのスポーツスターファミリーがより高値になっているのに加え、FXSBブレイクアウトやFLTRXSロードグライドスペシャルといった車種も買取価格を上昇させています。

加えて、2003年以前の、リジッドマウント方式のスポーツスターの需要も高まっているという現象もあるとのこと。国産モデルのなかでは、現行250ccモデルで一人勝ち状態となっているホンダレブル250が、買取価格においても相場を大きく上昇。加えて、コロナ化以前はそこまで需要の高くなかった、ヤマハのドラッグスター400やビラーゴ250など前世代の車種も、買取価格を大きく上昇させているとされています。

スクランブラー

近年のネオレトロブームに関連して、人気と注目度が高まっているのがスクランブラーというスタイル。古き良き時代の雰囲気の車両をベースに、ブロックパターンタイヤやアップライト方式のマフラーレイアウト、幅広のハンドルなどを採用しているのが定番。

実はこのスタイル、本格的オフロードマシンがまだ存在していなかった1960年代以前の時代に、本来オンロード向けのバイクを、オフロード走行も可能にするために行われたカスタムが由来。ちなみに英語の“Scrambler”には「よじ登る者、這いつくばって進む者」という意味があり、未舗装の坂道をぐんぐん進むことができるバイクというニュアンスからこの名称が定着したそうです。

そして時は流れ200年代、かつて人気を博したスクランブラーのスタイルを再現したモデルを、メーカーが自らカスタムして販売する時代になりました。

●ドゥカティ スクランブラーアイコン

2015年、803ccLツインエンジンを搭載して登場した現行スクランブラーシリーズの「最初の4車種」のひとつであり、シリーズ全体のスタンダード仕様。2019年のモデルチェンジにてコーナーリングABS装備やメーターパネルの改善が行われましたが、外観デザインはほぼそのまま、2015年式のスタイルが踏襲されています。

●トライアンフ ストリートスクランブラー

2006年に登場していたスクランブラー900の後継モデルとして、2017年に登場。ベースモデルであるボンネビルが空冷エンジンから水冷エンジンへモデルチェンジされたことを受け、こちらも865 cc空冷エンジンから899cc水冷エンジンへの換装が行われ、車名もストリートスクランブラーに変更されました。

スクランブラーの買取傾向

近年のネオレトロブームの影響で注目・人気の高まっているジャンルではありますが、他の車種と比べると、その中古車市場はまだまだ発展途上という段階。買取業者が、スクランブラーというジャンルに精通しているか否かによっても、買取価格に差が出やすいという傾向もあるので、他の車種以上に業者選びが重要になってきます。

ジャンルの代表格であるドゥカティやトライアンフのスクランブラーシリーズにおいてもそうした傾向があり、モデルとしての希少性を評価する業者であれば高値、そうでなければ、買いたたかれてしまいやすいとのこと。それゆえ、ドゥカティやトライアンフの買取実績が豊富な業者に依頼することが大前提と指摘されています。

オフロード

モトクロッサー/エンデューロレーサー

モトクロッサーは車名の通り、専用モトクロスコースでのスプリントレースに用いられる車両、エンデューロレーサーはオフロード版の耐久レースで用いられる車両になります。ともに高い走破性とパワー、軽量性を誇っていますが、基本的に一般公道で乗ることはできません。またメンテナンスやオーバーホールなどもこまめに行う必要がありますので、決して軽い気持ちで購入すべきではありません。

海外向けのデューロレーサーを逆輸入し、ウインカーやブレーキランプなどを装着して申請すると、国内でナンバーを取得し公道で乗るということも出来る場合がありますが、扱いには細心の注意が必要となります。

●ヤマハ YZ450F

現在行われているモトクロスレースにおいて、450ccクラス向けにヤマハが発売しているマシンになります。それこそ、トップレベルのプロレーサーが操るレーシングマシンですので、それなりの腕前と、キチンとしたメンテナンス体制、運搬用のトランスポーターなどが必須です。

●ホンダ CRF125F

公道不可の専用コース向けモトクロッサーではありますが、初心者にも比較的身近で扱いやすい特性となっています。それでも、公道向けの250ccモデルよりはテクニックが必要となりますので、購入の際はその点をしっかりと踏まえておくべきです。

●スズキ RM-Z250

スズキが手掛ける250ccクラスの競技専用車両でナンバー取得や行動走行は不可。発売開始は2003年と長い歴史を有する隠れたロングセラー。2010年モデルでキャブレターからインジェクションへの変更が行われ、2016年と2019年にフルモデルチェンジが実施されるなど、常に改良・改善が繰り返されています。

●カワサキ KX250

1970年代半ばから2008年までカワサキが手掛けていた2ストロークエンジン搭載のモトクロッサーの車名が、2019年、4ストロークエンジンの競技車両として復活。また2021年には、同モデルをベースに、フロントホールの小径化やエンジンセッティング変更を施したエンデユーロマシン、KX250Xも兄弟車としてお目見えしています。

モトクロッサー/エンデューロレーサーの買取傾向

元々がクローズドコースで使用される競技用車輛であり、基本的には一般公道で乗ることは不可とされています。それゆえ、密を避けるための移動手段を求める層からのニーズからは外れていますが、公道向け市販車以上に新型モデル生産に遅れが生じてしまいがちであり、結果、コロナ禍におけるバイク相場上昇の影響をそれなりに受けていると指摘されています。

その上で、競技用モデルという、需要の限られた車種なので、一般的な買取業者よりも、個人売買や専門販売店の方が、より高値が期待できるという指摘もなされています。

トレール

ナンバーフレートを取得でき公道走行が可能なオフロードモデルが、このトレールタイプになります。当然ながらヘッドライト、ブレーキランプ、ウインカーといった保安部品も装着されています。オフロードの走破性も、モトクロッサーやエンデューロレーサーには及ばないものの、公道向け市販車としては高いレベルにあります。

●ヤマハ セロー

初代の225、2代目の250ともに、オフロードでの高い走破性を実現していながら、オフロード車としてシート高を低く抑え、初心者でも扱いやすいという特性にこだわり続けた車種。生産終了となった今なお、高い人気を博しています。

●ホンダ CRF250L

競技用モトクロッサーの分野でホンダが培ったノウハウやテクノロジーを、高い次元でフィードバックした公道用モデルとして登場。だだし、決して尖った乗り味となっている訳ではなく、むしろ幅広いライダーに扱い易い懐の深さをもっています。

●スズキ ジェベル250XC

1990年代後半から2006年までラインアップされていたモデル。当時スズキが手掛けていた公道向け4ストオフローダーであるDR250S/Rをベースに、大容量燃料タンクや大径ヘッドライト、大型リヤキャリアなどを装着。これらの充実装備による利便性や実用性が評価され、ベースモデルを上回る人気を博しました。

●カワサキ スーパーシェルパ

カワサキが打倒ヤマハ・セローを目指して世に送り出したトレッキングバイクで、車名の由来はヒマラヤ山麓の少数民族から。道なき道を進めるバイクという思いが込められているそうです。810mmという比較的低めのシート高や中低速トルク重視のエンジンなど、セローを強く意識していました。発売期間は1997年から2007年まで。

トレールの買取傾向

コロナ禍におけるバイク需要増大の影響はもちろんありますが、加えてソロキャンプやアウトドアなどの人気の高まりと連動して、中古市場での価格上昇傾向が見られています。また国産モデルでは多くの車種が250ccあるいはそれ以下の排気量なので、車検不要で維持費も安く抑えられる点も人気を後押ししていると言えるでしょう。

車種別では、やはりヤマハのセローシリーズの人気が高く、またホンダがCRF登場以前に手掛けていた空冷方式で耐久性に優れたXRシリーズも人気が上昇傾向。また、2000年前後にスカチュームカスタムのベース車として一大ブームとなったヤマハTW200も、本来のトレールモデルとして再評価される機運が高まっています。

アドベンチャー

近年人気となっているカテゴリーになります。後述する「デュアルパーパス」の車種と重なる部分もありますが、端的に言えば車体のデザインや構成はオフロードモデル的な雰囲気。一方、装着するタイヤはオンロード重視のものとなっており、ツーリング先などで遭遇する、比較的フラットな未舗装路などには対応できるといった味付けになっています。

●スズキ Vストローム250

外観デザインならびに車体構成はまさにオフロードモデルを彷彿させますが、ホイールはキャストタイプ、タイヤもオンロードよりのものが装着されています。オフロード走行はあくまでも緊急避難的というレベルです。

●ホンダ NC750X

外観デザイン的にはオフロードモデル的であるものの、主眼としているのはオンロード走行。ただし、新しいモデルでは、一定レベルのオフロード走行を見据えたタイプのタイヤが標準装備されるようになっています。

●カワサキVERSYS-X 250

Ninja250に搭載されている並列2気筒エンジンを用いて、人気のアドベンチャー系モデルとして仕上げたモデル。2017年に発売開始されるやいなや、販売予定台数が完売となり2018年モデルの発売を早めたというエピソードがあります。ホイール径はフロント19インチ、リヤ17インチで、どちらかと言うとオンロード走行が主眼。

●BMW R Nine T UrbanGS

ネオレトロスタイルとして人気を博しているR Nine Tをベースに、BMWの往年のビッグオフローダーであるR80G/Sを現代に再現したという趣となっています。日本向け仕様はオンロード向けタイヤが標準装備されていますが、ブロックパターンタイヤの装着で、オフロードでの走破性をアップさせることも視野に入れられているとのこと。

アドベンチャーの買取傾向

オンロード走行を主体としながらフラットな未舗装路などにも対応できる使い勝手のよさ、ツーリングに適した特性により、近年人気を高めていましたが、コロナ禍におけるバイク需要増大や、ソロキャンプ人気の高まりも、ジャンルとしての人気拡大に拍車をかけています。

車種別では、250ccクラスにおいてはスズキのVストローム250の人気が高く、買取価格も上昇傾向。大型クラスでは、比較的身近で、DCT仕様もラインアップされているホンダNC750Xが2020年以降、買取相場を大きく上昇させています。加えて、カワサキのヴェルシスも、250と650の双方で、人気傾向となっています。

モタード

公道用オフロードモデルであるトレール車種をベースに、オンロードタイヤを履かせたタイプの車種になります。元々は2000年代の初頭に、軽量スリムなオフロードバイクをベースに、17インチのホイールとオンロード用ハイグリップタイヤを履かせたマシンで競うモータースポーツが人気となったことが発端。そこから、オフロードモデルを手掛けているメーカーが、自社のオフ車をベースとしたモタードマシンを、市販車としてラインアップするようになりました。

そうした市販車化されたモデルを購入するのはもちろん、オフロードモデルを購入した上で、カスタムによってモタード化するということももちろん可能です。

●KTM 690SMC R

元々オフロードモデルを得意としているKTMが、自社の大排気量単気筒オフローダーである690エンデューロをベースに造り上げたモタードマシンになります。国産モタードの多くはベースとなるオフローダーの大半が250ccなので、690ccモタードというのは、まさに希少な存在です。

●スズキ DR-Z400SM

国産の公道向けオフロードモデルとしては希少な400ccモデルであったDR-Z400Sをベースに、前後17インチのオンロード向けタイヤを装着。ベースとなったDR-Z400Sを大きく上回る売れ行きを実現し、生産終了となった後も、中古車市場で根強い人気となっています。

●ホンダ CRF250M

2012年に登場した水冷4ストローク単気筒エンジン搭載の公道向けオフローダー、CRF250Lをベースにモタード化が施され、2013年に発売。前後ホールの17インチ化とオンロード向けタイヤの装着、ブレーキディスクの大型化、サスペンションのオンロード向け再セッティングなどが施された状態で販売されています。

●アプリリア SXV550

登場は2008年。当時のスーパーモト世界選手権にアリリアが投入していたワークスマシンを、ほぼそのまま公道仕様にしたというモデルで、「プロレーサーレベルの腕がなければ乗ってはいけないバイク」と称されたほど。まさに「乗り手を選ぶバイク」でしたが、マニアックな層からは絶大な支持が寄せられました。

モタードの買取傾向

公道用オフロードをベースに、オンロード用タイヤを履かせ、軽量かつ機動性に優れた車種に味付けされたモデル。コロナ禍以前の買取相場は一定レベルの横ばい状態で推移していましたが、2020年には大きく上昇し、その後も高値横ばいが続いています。

車種的には国産では希少な400ccモデルであるスズキDR-Z400SMが人気の筆頭格。ホンダではCRF250MやXR系。ヤマハではWR250Xが人気となっており、また外国車ではやはりKTMの690SMC Rが存在感を放っています。またいわゆるモタードとは多少毛色が異なりますが、大型ロードモデルをベースにモタード風にしたドゥカティのハイパーモタードも存在感を放っています。

デュアルパーパス

オンロードとオフロード、双方に対応できるモデルということになります。ただし、車種によって、オンロード重視、オフロード重視の傾向が分かれる場合もあり、オンロード重視のものはアドベンチャーに近い、あるいは重複するという傾向もあります。逆にアドベンチャーと謳っているモデルでも、オフロード性能をより高めているという場合もあります。

例えば250ccクラスの場合、カワサキのVERSYS-X 250とホンダCRF250RALLYはともにデュアルパーパスの範疇に入るモデルですが、前者はどちらかと言えばオンロード重視、後者はよりオフロード重視という感じになります。

●BMW R1200GS

大型オフロードモデルの雄として長きに渡って君臨してきたBMWのGSシリーズのフラッグシップモデルになります。新車販売時の装着タイヤはオンロードよりのものですが、オフロード向けのタイヤを装着すれば、高い走破性を発揮。悪路や濡れた路面での空回りを防ぐASCという機器も装備しています。

●ホンダCRF1100L Africa Twin(アフリカツイン)

かつてのホンダ大型オフローダーの代名詞、アフリカツインの名が復活。1100cに排気量アップされた2代目は、先代の1000ccモデルに比べ、よりオフロード重視に個性を明確化。一方で兄弟モデルのCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESは、比較的オンロード重視とし、棲み分けを図っています。

●KTM 1290スーパーアドベンチャーR

KTMご自慢のアドベンチャーシリーズのフラッグシップモデルであり、よりオフロード志向を高めた「R」仕様。フロント21インチ、リヤ18インチホイールを採用し、ブロックパターンタイヤを装着。サスペンションセッティングもオフロード向けに最適化。エンジンガードも標準装備されています。

●ヤマハ テネレ700

2018年のミラノショーでお披露目され2019年に発売開始。かつてのダカールラリー参戦をイメージさせる「テネレ」の車名が復活したことも話題となりました。エンジンはMT-07用をオフロード向けに再セッティング。ホイールはフロント21インチ、リヤ18インチでブロックパターンタイヤを装着しています。

デュアルパーパスの買取傾向

BMWのR1200GSやF800GS、KTMのアドベンチャーシリーズR、ホンダのアフリカツインなど、オフロード走破性を高いレベルで実現しながら、オンロード性能もないがしろにせず、文字通り2通りの走行性能を併せ持つモデルが群雄割拠の状態となっています。

元々高額な大排気量モデルが多く、高値買取傾向にありましたが、コロナ禍以降は大きく上昇傾向に。その後2021年後半には高値のまま横ばい傾向に転じています。また、このジャンルのなかでは希少な250ccクラスのホンダCRF250ラリーは、コロナ禍以前より、一定レベルの高値を維持したまま横ばいに推移してきており、コロナ禍以降もゆるやかに上昇という傾向となっています。

レーサーレプリカ/スーパースポーツ

1980年代中盤、フルカウルにセパレートハンドル、アルミ製フレームといったレーシングマシンを彷彿させる特徴や外観を持ち、より高回転型のエンジンを搭載したレーサーレプリカが一大ブームに。1990年代に一時下火になりますが、その系譜は2000年代の1000cc4気筒モデルの分野に受け継がれ、スーパースポーツと呼称されるようになりました。

市販車ベースのマシンで競われるスーパーバイクレースの世界で、国内4メーカーはもちろん、ヨーロッパの主力メーカーも交えた派遣争いが繰り広げられています。

●カワサキ ZX-10R

2000年代にレースの世界で苦戦していたカワサキが、エンジンも車体もすべてをフルモデルチェンジさせ、2011年に登場させたのがこのモデル。スーパーバイク世界選手権において豊富な実績を獲得しています。

●ヤマハ YZF-R1

4気筒1000ccのスーパースポーツというジャンルは、このモデルから始まりました。1998年、当時のレースレギュレーションには適合していない1000ccクラスにおいて、高いスポーツ性をもったモデルをヤマハは市場投入。世界的な人気を呼び、ついにはスーパーバイクレースの規定をも変更させることになりました。

●BMW S1000RR

ボクサーエンジンやシャフトドライブなどをこだわりとしていたBMWが、日本やイタリアのスーパースポーツモデルに真っ向勝負を挑むために造り上げたモデル。2010年の登場以来、改良・改善が重ねられており、2019年のフルモデルチェンジでは「BMWシフトカム」という可変バルブ機構やアルミ合金製新型フレームを採用しています。

●ホンダ CBR1000RR-R

ホンダ製スーパースポーツのフラッグシップが、2020年のフルモデルチェンジを機に、車名をCBR1000RR-R(通称:トリプルR)に変更。チタンコンロッドやアルミ鍛造ピストンの採用などにより最高出力218psを実現。サイドカウルには、コーナーリング時のダウンフォース効果を狙ったウイングが標準装備されています。

レーサーレプリカ/スーパースポーツの買取傾向

ホンダCBR1000RRやヤマハYZF-R1、スズキGSX-R1000、カワサキZX-10Rといった各メーカーを代表するフラッグシップスーパースポーツモデルは、コロナ禍以前から高値買取相場を維持したまま推移してきており、コロナ禍以降も、他のモデル群ほど急激に変動はなく、ゆるやかに上昇傾向となっています。

一方、ホンダNSR250RやRVF400など、1980年代後半のレーサーレプリカ系モデルが、コロナ禍をきっかけとしたバイク需要上昇に伴い、再評価が一気に高まっています。とりわけ、かつてのレースベース車であったホンダRC30/RC45やヤマハOW-01は、もともと生産台数が限られていたという希少性も加わり、新車販売時の価格を上回る高値がついています。

ツアラー

近年では、アドベンチャー系モデルでツアラー的要素を併せ持つ車種も増えてきましたが、元来「ツアラー」と言えば、快適に長距離ツーリングを楽しむためのモデルという位置づけ。オンロードモデルをベースに、風貌効果の高いカウルやスクリーンを備えています。

車種によって、アップライトな乗車姿勢の快適性重視のものと、前傾姿勢をやや強めたスポーツ志向重視のものがあります。

●カワサキ Ninja H2SX

2輪量産市販車として世界で初めてスーパーチャージャーを搭載したNinja H2をベースに、ツアラー志向を高めた派生兄弟モデルとして登場。簡単に着脱可能な専用デザインの左右パニアケースも純正オプションとして用意されています。

●BMW R1200RT

BMW伝統のボクサーエンジンを搭載し、フルカウルを纏ったハイスピードツアラー。時速200kmをキープして長時間走り続けるということが楽に行えるようになっており、ハーレーや日本車を退け、かのカリフォルニア・ハイウェイパトロールの白バイに採用された実績もあります。

●スズキ GSX-1000GT

前身モデルであるGSX-1000Fの後を受け継ぎ、2021年10月に欧米向けに発売開始。日本仕様は2022年2月に発売となりました。KATANAと同じくK5型GSX-R1000のエンジンをツアラー向けに再セッティング。電子制御スロットルやクイックシフター、クルーズコントロール、3種類のドライブモード選択などの装備が奢られています。

●ホンダ NT1100

2021年10月に欧州向け、2022年に日本向けの発売が開始された新型ツアラー。アフリカツインのエンジンとフレームをベースに、前後17インチキャストホイールを装着し、サスペンションもオンロード向けに最適化。外観デザインは完全オリジナルとして新設計。日本仕様はDCTタイプのみの設定となっています。

ツアラーの買取傾向

風防効果の高いカウルを装備し、高速道路などでも快適に走行できるツアラー系モデル。カワサキのNINJA H2 SX SEやZX-14R、スズキのハヤブサ、ヤマハのFJR1300Aといった大型モデルは、スーパースポーツ系と同じく、コロナ禍以前から高値の買取相場で推移しており、コロナ禍以降も、そのまま横ばいとなっています。

またNinja400や250といった中型クラスにおいても、ネイキッドなど他のジャンルのような急激な相場上昇はなく、緩やかな上昇にとどまっています。一方で、コロナ禍をきっかけに買取相場が高騰したのは、カワサキのGPZ900RやヤマハFZ1フェザーGTなど、1990年代から2000年代にかけてのモデル群。2020年から2021年にかけて大きく上昇し、2022年になると高値のまま横ばいに推移しています。

ミニバイク

50cc~125ccの排気量で、かつトランスミッションとクラッチレバーを装備している車種が該当します。オートマチックでギアチェンジの必要のないスクータータイプと区別する意図により、このように呼ばれるようになりました。かつては125cc以下のオフロードモデルやスポーツモデルなども多数ラインアップされており、ミッション付きという条件に合致していることから、ミニバイクの範疇とされるケースもよく見られます。

●ホンダ モンキー125

ミッション付き50ccモデルとして長年のロングセラーとして一時代を築き、様々な派生モデルも登場したモンキー。惜しまれながら生産終了となってほどなく、125ccモデルとして復活。初代の面影を忠実に再現するため、125ccモデルながら敢えて1人乗り専用としています。

●KTM 125デューク

日本の普通自動二輪免許で乗ることができる車種を精力的に市場投入しているKTM。そんな同社ならではの、ストリートファイター系デザインが特色のデュークシリーズにも、125ccモデルがラインアップされています。

●スズキ GSX-S125

2017年秋に2018年モデルとして発売開始。125ccクラスでありながら前後17インチホイールを装着し、6速ミッションを備えたモデルであることが大きな話題となっています。軽量化されたフレームとホイールベースのショート化によって旋回性能を重視し、リヤサスペンションもこのクラスでは珍しいリンク式となっています。

●カワサキZ125プロ

前後12インチホイールの車体にMT式のミッションを採用し倒立フロントフォークやレイダウン式のリヤサスペンションを採用。燃料タンクは7.4Lを確保し、外観デザインは車名の通りZシリーズの雰囲気を踏襲。ミニバイクのカテゴリーでありながら、下手な中型モデル以上に凝った作り込みがなされています。

ミニバイクの買取傾向

身近に入手できる小排気量であり、その上でMTミッションによって操る楽しさも満喫できるミニバイクは、密を避けるための移動手段確保というニーズにも合致。コロナ禍以前に比べ、買取相場を大きく上昇させたジャンルのひとつとなっています。ただし上昇傾向は2021年で天井となり、2022年にはコロナ禍以前の状態に戻りつつあるようです。

そうしたなかで、とりわけ高い人気を博しているのが、ビジネスバイクであるスーパーカブをベースに、レジャー性を高めたCT125ハンターカブ。クラッチレバー操作不要でギアチェンジが行える自動遠心クラッチや、耐久性、経済性に優れたベースモデルの素性とも相まって、2020年に買取相場が大きく上昇し、以降も高値横ばいに推移しています。

スクーター

イタリアのベスパを筆頭に、カワサキを除く国内4メーカーも精力的にラインアップを揃える身近なオートバイ。定義としては、ステップスルー方式でオートマチック、125cc以下という感じですが、近年では左右の足の間に膨らみがあり、跨る必要のあるタイプも出てきました。

また、かつては2ストロークエンジン搭載モデルが多くを占めていたものの、近年ではほぼ、新車販売は4サイクルエンジン搭載モデルに限られています。

●ホンダ PCX HYBRID

スタイリッシュで個性的なデザインの125ccスクーターとして人気のPCXに、待望のハイブリッドモデルがお目見え。ガソリン仕様の通常モデルより価格面では高額となってしまいますが、エンジンとモーターを組み合わせた加速性能は、それだけの価値があると評されています。

●スズキ アドレスV125

4ストエンジン時代に突入した125ccクラスに、スズキが市場投入したアドレスV125は、50ccの原付1種並みの軽量コンパクトな車体に125ccエンジンを搭載することで高い加速性を発揮。「通勤特急」と称されるほどの人気モデルとなりました。

●ヤマハ トリシティ125

国産モデルとして前2輪、後1輪のリバーストライク式3輪スクーターを2015年に発売開始。独自のLMW機構により安定感を発揮し、スリップダウンのリスクを大きく軽減していることから、これまでバイクに乗ることをためらっていた、敬遠していた層の掘り起こしにも成功したというのは意義のあることです。

●ピアジオ ベスパ プリマベーラ50 2T

世界に名だたるスクーターブランド、ベスパのラインアップのなかでも、原付免許で乗ることができる50ccモデル。車体自体は兄貴分であるプリマベーラ125と共通化されており、ベスパのアイデンティティーである方持ち式フロントサスやデザインも踏襲。その上で、パワー不足を補うため2ストエンジンが採用されています。

スクーターの買取傾向

密にならない移動手段の確保という観点において、小型のスクーターも中古市場でもニーズが大きく上昇。コロナ禍以前はなかなか値段がつきにくい傾向のあった50ccの原付1種も、普通自動車免許で乗れるというメリットが再注目され、それなりの買取価格が提示されるようになっています。

以前から使い勝手のよさで人気となっていた原付2種も、コロナ禍の影響で買取相場が大きく上昇。とりわけホンダPCX、ヤマハのシグナスやNMAXなどが高値傾向となっています。加えて、独特のデザイン性と存在感を放つイタリア製のベスパや、ホンダズーマーやジョルノといった個性的なデザインの車種は、若年層に人気が高いという傾向もあります。

ビジネスバイク

広い意味ではビジネス用途に用いられるバイクということであり、それこそ白バイやバイク便などに用いられる車種も含むことになりますが、一般的には積載性に優れた、配送業務などに用いられる車種ということになります。ちなみに、宅配ピザなどのデリバリー系業務などに用いられるキャノピーや保温トランクなどの備えたバイクは、基本的には業者ごとの特注モデルとなっています。

本来のビジネス用途としてはもちろん、その普遍性やレトロな佇まいが、ファンション性を醸し出しているとして、若年層に人気となっているという側面もあります。

●ホンダ スーパーカブ110プロ

ホンダの誇る超ロングセラーモデルであり、細かな改良や改善は繰り返されている反面、基本設計やデザインはずっと変わっていないレジェンドモデルが、スーパーカブです。その110ccモデルに、フロントのバスケットと補助ライト、大型のリヤキャリアを装備し、配送業務での利便性をより高めたのがスーパーカブ110プロです。

●ホンダ ベンリィe:IIプロ

法人向け限定ながら、ついにホンダが電動ビジネスバイクの販売を開始。ベースとなっているのはビジネススクーターのベンリィ。そこに0,98kW出力の原付2種相当のモーターを搭載。1回の充電につき約43kmの走行が可能とアピールされています。

●ヤマハ ニュースギア

ヤマハが1994年に登場させていたビジネススクーター「ギア」をベースに、新聞配達業務向けに専用装備を追加。新聞を満載できるフロントバスケットや大型キャリアはもとより、冬季早朝の寒さを考慮したグリップヒーター、さらには跨った状態で新聞をポストに投函する際、手を動かしながら車体を停止できるフット式ブレーキも装備されています。

●スズキ バーディ50

ライバル・ホンダのスーパーカブに対抗するため、1973年から2010年までラインアップが続けられたスズキのビジネスバイク。当初は2ストエンジン搭載車として販売され、1983年から2004年までは2スト仕様と4スト仕様が併売されるという珍しい状況に。2005年以降は4ストモデルに一本化されました。

ビジネスバイクの買取傾向

新聞や郵便、小口荷物の配送やフードデリバリーなどの業務用途に用いられるビジネスバイクは、それこそコロナ禍以前から一定の需要があり、コロナ禍の影響によるバイク需要増大の影響も多少は受けていますが、他の車種ほどには買取相場の急激な上昇は起きておらず、ゆるやかな上昇という感じになっています。

車種的にはやはりホンダのスーパーカブ系が強く、一定レベルの買取相場が維持され続けているという感じ。一方で、ギアチェンジを必要としないスクータータイプのビジネスバイクで広い荷台を持つヤマハのギヤシリーズは、デリバリー系業界などからの需要が高まったと見え、2019年から2020年にかけて買取相場が大きく上昇しているのが注目すべきポイントとなっています。

バイク全体の値上がりはなぜ起きているのか?

2020年よりコロナ禍になりましたが、バイクの中古市場全体が大きく値上がり傾向となっています。その理由としては、いくつかの要因が重なっています。

ひとつは世界的な経済活動の停滞に伴い、各メーカーの新車生産が滞ってしまったことにより、代替え手段として中古車の需要が高まったこと。もうひとつは、いわゆる密を避け、ソーシャルディスタンスを保つ移動手段としてバイクの有効性が注目されたこと。加えて近年人気のソロキャンプなど、アウトドア系の趣味との親和性が高いことも要因となっています。

こうした傾向は今後もしばらく継続すると見られており、バイクの買取相場にも大きな影響をもたらしていますので、バイクの売却をお考えの方は、しっかりとアンテナを張っておくべきです。

バイクの価格高騰の原因

新車の供給不足

バイク価格高騰の要因として筆頭に挙げられているのが、コロナ禍の影響により、各メーカーの新車供給が滞っているという状況があります。2020年、いわゆるロックダウンによって工場の生産停止や自宅待機といった事態となったことは記憶に新しいところですね。またそうしたロックダウンが明けた後も、コロナの影響によって生産や流通の体制は滞り気味。

2021年になると経済活動の再開が進んでいくようになりましたが、今度は工業製品の原材料不足、とりわけ半導体不足が顕著になり、業界間で半導体の争奪戦が起きるようになりました。こうした状況のあおりを大きく受けたのが、他ならぬオートバイ業界です。

各メーカーとも、新車を生産したくても、限られた数しか生産できないという状況に陥り、流通する新車が減少。結果、バイクを購入したいユーザーの多くが中古車市場へとなだれ込み、バイク価格が高騰するようになっていったのです。

業者オークションの品質低下と出品数の減少

新車供給体制の遅れに伴い、中古バイクの需要が高まったことで、中古バイクを業者同士で落札するオークションにも変化が起きました。言うまでもなく中古車というものは、コンディションや劣化具合は様々ですが、中古車として再販するためには、修理前提でなければならない状態のものが増えてしまっているとのこと。

そして、そうした品質低下状態の車両は、オークションに出しても高値がつかないので、出品を控えるように。こうした影響によって、中古車市場においても質のよい個体の数が減って品不足となり、価格高騰という連鎖が起きているのだそうです。

メーカーの販売規制

ハーレーダビッドソンの成功を見て、国内4メーカーも「正規販売店制度」を強化していったことも、バイク価格高騰の要因とされています。

以前であればバイクショップはメーカーから新車を仕入れることが出来ていましたが、正規販売店制度の強化により、収益性の高い大型バイクは、ホンダであればドリーム店、ヤマハであればYSP店といった具合に、正規販売店でなければ購入できないということになっていったのです。

こうした状況によりバイクショップは中古車に力を入れるようになっていき、さらにコロナ禍でのバイク購入増加が火に油を注いだという構図となっています。

   
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